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食べ物と地質

第1話 九州シラス

シラスご飯 お湯を注ぐと、大盛りご飯がサーラサラ!!

皆さん初めまして。
今日は僕のことを簡単に説明するね! \(^.^)/
九州のシラス台地っていうのは聞いたことがあるでしょう?でも、僕 シラスは、東北地方の十和田湖周辺にもあるってしってたぁ?
説明: "シラス"とは、鹿児島県本土と宮崎県南半分において、それぞれ約50%および約16%の総面積にわたって分布している特殊土の一種を指している。
しかし、東北地方の十和田湖周辺などに比較的多量に堆積している類似土もシラスといわれている。
僕が特殊土だなんて呼ばれるわけはね、実は僕、雨が大の苦手なのさ!
僕の仲間内では、雨降りの日はかなりブルーな出来事が起きたりするんだ。
説明: シラスが特殊土である理由は頻発する災害のためであり、大規模な浸食崩壊を起こすことで注意が必要なのです。
斜面が極端に浸食しやすいこと、地震時に斜面が崩壊しやすいこと、沖積層におけるシラスが液状化しやすいという特徴を持つ。
しかし、浸食されない限り乱さない地山シラスは強度が大きい、土工がしやすい、盛土でも静的な支持力が大きい、添加剤による安定処理の効率がいいといった性質も持ち合わせている。
僕ら特殊土と呼ばれている土たちは、いろいろな面倒な性質を持っているために、特別扱いされてるんだよね。
ちょっと学術的にプロフィールを書いとくね。
シラスの語源:白砂,白州
今日では"シラス"は学術用語となっている。

シラスの地質学的定義:
 火砕流(非溶結部),降下軽石及びこれらの二次堆積物
 広義にはシラスは次の地層を総称する。
  1. 軽石流タイ積層
  2. 降下軽石層
  3. 軽石流・降下軽石層の二次タイ積層
  4. 凝灰石砂層
一次シラス:
 軽石流タイ積層の非溶結部
 最も大規模に分布し典型的なシラス
 物理的性質
 粒径から見るとシラスは砂に属する
  1. 火山ガラスと軽石が圧倒的に多く、このほか少量の異質レキを含む。
  2. 火山ガラス、特に軽石は摩耗や破砕を受けやすい。
  3. 火山ガラスの表面は滑らかであるが、軽石の表面は粗い。
  4. 軽石は非常に多孔質である。
 以上の性質から、シラスの物理的性質を求める際に、ふつうの土質材料で行われるJISの試験方法をそのまま適用できない面があります。
 即ち、シラスは粒子破砕を生じやすく、突き固められない。

化学的性質:
 重量比で70%前後がケイ酸
 14~15% 酸化アルミニウム
 その他 酸化カルシウム・酸化マグネシウム・酸化1鉄・酸化2鉄・酸化マンガン
 僕は火山灰から生まれたんだ。普段はしっかりしているんだけど、雨が降ったりすると、とたんに意気地無しになっちゃうんだ。 (^_^;)
 でも地盤調査をする人たちが僕のことを一生懸命面倒見てくれるから、僕も頑張るんだ。(^_^)

第2話 羽田マヨネーズ

追っかけリポーターのシルト マヨネーズ君

うさぎの「シルト」がインタビューをします。
私 追っかけリポーターのシルト、君の名前はなんていうの? (*^_^*)
俺は羽田マヨネーズ。 俺のこと知らないのー?
俺は羽田空港の大改造プロジェクト「東京国際空港沖合展開事業(沖展)」の際に生まれたのさ!!!(^-^)
俺の生まれた経緯を紹介するよ。 (参照A)

参照A:羽田沖の埋め立ての経緯について
1971年 東京都から「ごみ戦争宣言」が出された。
1971年 「ごみ戦争宣言」 高度経済成長に伴う廃棄物の処分が危機的状況下に置かれ、羽田沖と中央防波堤外側の海域が浚渫土砂の処分場と決定される。
1975年 羽田沖廃棄物処理場に浚渫土(後にマヨネーズとなる)の処分開始
1981年 建設残土の処分場  羽田沖の埋立に使われたのは"廃棄物"として処分されたと建設残土だった。
 同じく海上埋立による空港である関西空港は良質の埋立用の土砂を使っているので、”関空とは土がちがう”というのが羽田沖展の大きな問題点でした。

でも、どうして"マヨネーズ"なんて名前がついたの?
それはね.....(^_^;) (参照B)

参照B:地盤改良以前の様子
 海抜0~1.5mまで埋め立てられてはいたものの、残土を突き破って下の層のヘドロが地表へと吹き出し、地面と呼べる乾いた地表はごく一部に過ぎず、ほとんど歩くこともできない沼地のようなものだった。
 しかも、その表面は普通の地面のように乾いて固まっているように見えても、それは薄皮一枚の世界という危険極まりない土地であった。
 小石を投げ入れると容易に薄皮を破り、ポチャンと音を立ててヘドロの飛沫があがる。
 そして、とめどなくズブズブと沈み込む。
 「泥の海」は,誰言うとなく「マヨネーズ」にたとえられるようになった。
 徐々に埋立地の排水が進み水位が下がってくると、地中から吹き出したヘドロが泥の中から露出し、それが乾くと瓦状に深さ30センチあまりのクラックができる。
 こうした部分は比較的泥の多い部分の表面が乾燥して固まり、ちょうど氷の張ったような状態になっているため、人が歩ける目安となった。
 このような安全地帯が広大なヘドロの海の中の所々に、ひび割れた粘土の薄い板が流氷のように連なっていたのです。

それはずいぶん技術屋さん泣かせなことをしたね。
でも、どうやってそんな君がりっぱな羽田空港へと生まれ変わったんだい。?
まず、徹底的に調べられてから地盤改良されたんだ。
どんな風に調べられたの。
俺もあれほど綿密に診断されるとは思っていなかったよ。
まったく、ぐちゃぐちゃになっちゃったものさ。(参照C)

参照C:地質調査について
マヨネーズ層に砂層が入り組んで複雑な地層を形成しているため、綿密な調査を必要とした。

1. 埋立護岸の調査
 羽田沖は沖積粘土層→圧密沈下
 調査方法:ボーリング
 鋼製足場を組んで埋め立て予定ラインに沿って海上ボーリングがおこなわれた。

2. 空港施設配置が決定後の調査
 支持層(約90m)までボーリングを行ったもの:滑走路,橋梁部,格納庫,管理施設
 軟弱地盤(約70m)の把握のためのボーリング:エプロン,シールドトンネル,駅舎,アクセス道路(ボックスカルバート) 特にエプロンでは測点はメッシュに置かれ、ボーリング,三成分コーン試験,ラムサウンディングが行われた。(エプロンが一番不等沈下の影響を受ける) 埋立を行ってからまだあまり時間が経過しておらず、ボーリングの際保孔のためのケーシング挿入を地中深くまで行なった。

マヨネーズ君も大変な目に遭っていたんだね。地盤改良はどうだった?
日本の地盤改良技術の高さを思い知ったよ。
そして俺は羽田空港の下敷きになっているってわけさ。
まあ、立派に更生(改良)されてよかったんだけれどね。(参照D)

参照D:地盤改良の工法の紹介
 マヨネーズ君改良に向けて、羽田沖展では最先端の技術が盛りだくさんでした。

 地盤改良工法としてバーチカルドレーン工法,プレロード工法が採用された。

地質調査は「沖展」の中でどんな役割を果たしたのか教えてくれないかなぁ?
人工的に複雑な層を織りなす羽田沖を空港利用するためには、その複雑な地盤を把握しないことには始まらないといっても過言ではないんだ。
滑走路やエプロンはちょっとした凸凹や計算外の傾斜なんかが生じると使えなくなるし、空港のターミナルビルとか管制塔といった施設が傾いたりしてもたいへんだろ。?
そうなると、不等沈下を起こさないための地盤改良に躍起にならざるを得ないんだけれど、地盤情報がないことには地盤改良もできないしね。地質調査は空港建設の最初の一歩だったわけさ。


地質調査エピソード (;^_^A アセアセ・・・

  • 水が溜まっているような所ではボートから調査を行った。
  • ボーリング機器の一部(コーン)が間隙水圧の高い盛土中に埋まってしまうことがあった。
  • 車がぬかるんで大変.雨が降った後は特に大変(ただでさえ柔らかいのに...)。
  • ピーク時のボーリングマシーンは50台ほど
  • ヘドロの安定処理をおこなって足場を確保してからドレーンを行った。
  • よくパンクした(建設残土に鉄筋くずとか釘が含まれていたから)。
  • 震度5ぐらいの地震が起こったときに、盛土が波打って見えた(一部地盤改良が始まっているころ)。

実際に現場を体験した感想

 今後また超軟弱地盤を調査する機会があったら、羽田沖の経験を活かして行きたい。
 地質調査を行う上では、実際に現場を見ないことには分からない時が多い。そういった中でボーリングは直接的な調査方法として有意な調査方法だろう。
 最近は物理探査(弾性波速度・電気探査・放射能探査等)で地盤を評価する事が増えてきている。軟弱地盤での物理探査は現段階ではまだ難しい問題が残っているが、軟弱地盤にも応用していけることを目指して行くべきだろう。

未来にはばたく地質調査業

 日本の地盤改良技術が世界トップレベルにあるのは、極端に言えば地盤を改良しなくてはならない国は日本ぐらいしかないからだとも言える。
 狭い国土条件の中で社会資本を整備するためには、条件の悪い軟弱地盤をも活用せざるを得ない状況にあるためである。
 そういった環境下で、地質・土質の情報を得ることは今後も重要な役割を担って行くだろう。 §^。^§

関連図書

羽田空港物語 上之郷利明/講談社