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地質調査法

孔内水平載荷試験
現場透水試験

孔内水平載荷試験

孔内水平載荷試験の概要
図はLLTがモデル

 ゾンデをボーリング孔のなかで膨らませ、地盤の変位と圧力の関係を測定し、地盤の水平方向の変形特性を求める。
 グラフで直線部分が弾性変形領域で、この傾きがK値である。


1.目 的

 地盤の水平方向の変形係数Eなどを求める試験。原位置で測定され、信頼性が高い。

2.試験方法

 現在地質調査で利用されている試験器にはLLT(等分布荷重式1室型)、プレシオ(等分布荷重式3室型)、KKT(等分布変位式)、エラストメーター(等分布荷重1室型)等がある。

試験器の設置
  1. 所定の深度までボーリングを行う。
  2. 平行して試験器を組立て置く。また、等分布荷重式の場合、ゴムを利用するのでキャリブレーション試験を事前に行っておく。
  3. 測定管(ゾンデ、ジャッキ)を孔内に降ろし固定。
  4. 試験を開始する。
測 定
  1. 油圧、ガス圧により土質の強度に合わせた載荷ピッチで載荷する。通常2分ピッチで荷重を増加させる。
  2. 通常載荷後、荷重圧力を保持し15、30、60、120秒における変化量を測定し、クリープ量を算出する。
  3. クリープ量は初期で大きく、孔壁にピッタリと測定管が密着するとしばらく落ち着いた小さい値を示す。この間が地盤の弾性変形領域で、これ以後、クリープ量は増大する。
  4. 急激にクリープ量が大きくなった時点で測定終了とする。
  5. 測定管が収縮するのを待って、試験器を片づける。
 なお、6~8は比較的固い地盤の場合、荷重圧力保持時間を短時間とする場合も多い。

解 析
  1. 弾性領域における圧力と変位の比 k=△圧力/△変位を求める。
  2. 変形係数Eを求める具体的な解析方法は、試験器により異なるが基本的には次式による。
E=(1~1.5)×試験半径×k
1~1.5はポアソン比に関する係数で通常1.3

3.留意点

  1. ①地盤の強度に応じた試験器、荷重段階を用いる。
  2. ②ボーリング孔壁の善し悪しが試験結果を左右するので、孔壁の乱れの少ない適切 なボーリングを行う。
  3. ③応力解法による乱れを少なくするため、試験区間を削孔後速やかに試験を行う。

4.関連技術

  1. 一軸圧縮試験、三軸圧縮試験・・・・破壊曲線から変形係数を求める。
  2. N値・・・E=4~10Nと言われる。相関性があるのは確実だが、係数を決定するのは難しい。
  3. セルフボーリングプレッシャーメーター・・・・プレボーリング式の孔内水平載荷試験 で発生する孔壁乱れ、応力解法を防止する。
  4. 全自動LLT・・・・精度確保と省力化を目指した製品。
●参考文献
地盤工学会「地盤調査法」
関東地質調査業協会「ボーリング孔を利用した原位置試験の技術マニュアル」
各種試験器マニュアル
三木幸蔵社長(川崎地質)「わかりやすい岩石と岩盤の知識」

現場透水試験

現場透水試験の概要

 ボーリング孔の先端に地下水が流入するストレーナー部分(試験区間)を設け、孔内の水位を人工的に低下させ、その後の回復状況を測定する。(回復法)
 このときの時間と地下水位の回復量とから地盤の透水係数を求める試験。水を注入する方法もあるが、一般的にこの非定常試験を現場透水試験と呼んでいる場合が多い。


1.目的

 地盤の透水係数を簡便に求める試験。また、安定水位(平衡水位)は帯水層によって異なり、試験対象層の地下水位を求めることもできる。

2.試験方法

 以下の手順で行う。

試験装置の設置
  1. 試験深度の手前までボーリングする。
  2. ケーシングを建て込み、打ち込み等により地層にシールする。
  3. 透水区間を目詰まりしないように清水でボーリングする。
  4. しばらく清水を循環させスライムの除去と孔内洗浄を行う。
計測試験
  1. ベーラーで地下水を汲み出す。
  2. 地下水位低下後の、回復状況を0.5,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,15,20,30,45,60....程度の間隔で測定する。
  3. 水位変動がなくなるまで、もしくは翌朝に水位を測定して平衡水位(安定水位とする。
解  析
 水位(対数目盛)と経過時間(算術目盛)との関係をプロットし、初期の直線部分の傾きmを求め、次式から透水係数kを算定する。

(1)不圧地下水
k=0.66×d^2×log(2L/D)×m/L

(2)被圧地下水
k=0.66×d^2×log(4L/D)×m/L

ここに、
k:透水係数(cm/sec)
m:グラフの初期直線部分の傾き
log(S1/S2)/(t2-t1)
d:測定パイプの内径(cm)
D:試験(透水)区間の直径(cm)
L:試験(透水)区間の長さ(cm)

水位差Sは 測定水位-安定水位(平衡水位)



3.留意点

 留意点としては次のようなことがある。

  1. 原位置において、地盤の透水性を簡便に求める試験方法であるが、k=10-4~-3(cm/sec)程度の地盤に適用する試験であり、砂礫などの高透水性の地盤、シルトなどの低透水性の地盤には信頼性が低い。
  2. また、建設計画の湧水を取り扱う場合、湧水に関連する地盤は広範囲であり、現場透水試験が対象とした透水区間近傍の透水性だけから地盤の透水性を評価するのは試験数量を増やす、計画地全体の地盤構成と粒度組成を確認するなどの工夫が必要である。
  3. 試験方法は透水区間を作成する時に、地盤の状態を保持して仕上げることが大切で、目詰まりがないようにする技術が要求される。
  4. 測定された平衡水位が真にその帯水層の水位となるように対象とする帯水層に確実にシールを行う。行われない場合、透水性を評価できない。

4.関連技術

関連技術には次のものがある。
  1. 揚水試験・・・実際に揚水して揚水量と水位低下の関係から帯水層定数(透水量係数、貯留係数)を求める。高価だが確実で、時間を考慮した地下水解析が可能となる。
  2. スラグテスト・・・高透水性地盤に適しており、水位の自動計測システムとあわせて 水位回復直後のデータから測定を行う。
  3. 湧水圧測定・・・本来岩盤の試験方法であるが、パッカーと自動計測システムを有した試験で、これを現場透水試験に利用する。
  4. 電気検層・・・帯水層区分を行うのに便利で正確な判断が可能となる。
  5. 粒度試験・・・透水係数を実験式から推定する。安価なので、組み合わせると良い。
  6. 流速・流向測定・・・原位置で、地下水の流速・流向を測定する。導水勾配が分かれば透水係数を算出できる。
●参考文献
地盤工学会「地盤調査法」
関東地質調査業協会「ボーイング孔を利用した」原位置試験についての技術マニュアル」
西垣 誠先生「単孔式現位置透水試験法の諸問題」井戸とポンプVol.28