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技術ニュース81 第四紀の新しい定義
(弟子)
第四紀の定義が変わったそうですね。
(師匠)
そのとおり。これまでは新第三紀と第四紀の境界が181万年前だったのが、258万年前に変更されたのだ。
(弟子)
なぜ、変更されたのですか。
(師匠)
これまで第四紀の定義は明確に定義されていなかったからだ。通常、地質時代というのは、特徴的な化石が出る時代によって区分されていて、それには環境変化などに起因する生物の絶滅などが関与していると考えられている。様々な研究が進むにつれ、これまでの新第三紀と第四紀の境界は、生物の絶滅はもちろんのこと、地球規模の環境変動などが認められないことが明らかとなってきたのだ。
(弟子)
それで境界を見直す必要が出てきたのですね。
(師匠)
そのとおり。第四紀は地球が全体的に寒冷化に向かった時代で、氷期・間氷期の繰り返しで特徴づけられ、現在も継続する地球規模の激しい環境変動の中で、人類が進化してきた最新の地質時代である。地球規模の寒冷化は270万年前以降に顕著となり、250万年前以降氷期・間氷期の繰り返しが恒常的となるため、今回258万年前(ジェラシアン期以降)に見直しが行われたのだ。今回見直された人類の時代としての第四紀は、他の地質時代と違って、気候変 動・環境変動に関わる膨大な情報が残されているので、人類の未来を合理的に予測するための重要な鍵になるのだ。
(弟子)
見直しがされたことでこれまでと大きく変わることは何ですか?
(師匠)
これまで地質時代として用いられてきた第三紀、沖積世および洪積世は廃止されたので使用しないように注意が必要だ。但し、「沖積層」を沖積世の地層あるいは完新統ではないことを周知させた上で使用することや、応用地質分野で「洪積層」を支持基盤となる地層の名称として用いることは可能である。
年代層序単元と地質年代単元
参考:
「第四紀学会 第四紀と更新世の新しい定義に関連する地質時代・年代層序の用語について」
http://quaternary.jp/news/teigi09.html#100122
「地質学会 e-フェンスター 地球史Q&A」
http://www.geosociety.jp/faq/content0203.html
「第四紀の新しい定義とその意義」(地質と調査、2010、第4号)
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