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技術ニュース84 古地図

(後輩)先輩、このあいだ書店に行ったとき、江戸時代の古地図とか昔の地形図のコーナーができていましたよ。
(先輩)昔の街並みや地形の痕跡を探して楽しむ人が増えてきたのかもね。テレビの影響かな?
(後輩)古地図は形がゆがんでいて、今の地図と照らし合わせるのはちょっと大変だけど、見ているだけでもいろいろ想像しちゃって楽しいですね。
(先輩)今では日本の地図は国土地理院で作成しているけど、その原型は明治時代にさかのぼる。実測による日本最初の地図である伊能図は19世紀の初めに作成されている1)
(後輩)へー。結構最近なのですね。
(先輩)まぁ、最近なのか古いかは、おいといて、古地図は想像する楽しみもあるが、今でも国土地理院の旧版地図とかは、土地利用の変遷や地形・地質を把握するうえでも利用価値が高いよ。
(後輩)土地利用の変遷は、道路、鉄道、水路とかの新設や宅地開発とかでなんとなく分かりますが、地形とか地質って変わらないでしょ?
あっ!地形も変わりますね。大規模な造成で丘陵が削られて谷が埋められたり、沿岸部が埋め立てられて陸地が広がったりしてますね。
(先輩)そうだね。日本は明治以降、文明開化で近代化の道を歩み、特に太平洋戦争後は都市部を中心に急速に国土開発が進んだ。それは古地図と現況を比べると良く分かる。だけど、地理院の旧版地図の良さはそれだけではないのだ。
ここに多摩川流域の2時期の地図(図-1)がある。今の地図だと住宅や工場が密集していて等高線も読み取りにくいけど、古い地図をみると水田が広がっていて、氾濫平野であることが判別できる。更に多摩川にそって桑畑、果樹園や村落が分布していて、これは自然堤防だと思う2)
(後輩)後背湿地ってことは、軟弱地盤とか液状化しやすいとか?それで地質の把握にも有効ということなですね。
(先輩)実際にこの地域では、1923年の関東大震災の時には液状化したという記録がある3)。ただ詳細に評価するには、当然ボーリング柱状図等のデータは必要となるけどね。
(後輩)地盤の評価だけでなく、防災にも役に立ちそうですね。
(先輩)それ以外にも水文調査とか、土壌汚染調査にも。土壌汚染調査では土地利用履歴を調べることがある。この場合、過去の住宅地図がよく利用されるけど、それも一種の古地図かな。
それとインターネットで古地図を表示するサイト4)だけでなく、スマートフォンでも表示するアップリケーションもある5)
(後輩)いろいろチェックしてみます!

出所:国土地理院の旧版地図1/20000『溝口』 (明治39年測図)
出所:国土地理院の数値地図25000(地図画像)『川崎』(平成7年部分修正)
図-1 旧版地形図と近年の地形図との比較

文献引用
1)国土地理院HP:伊能忠敬と伊能大図、http://www.gsi.go.jp/MAP/KOTIZU/sisak/ino-stmi1.html
2)建設省国土地理院(1982):土地条件調査報告書(東京地区)、http://www1.gsi.go.jp/geowww/landcondition/report/d2036.pdf
3)若松加寿江(1991):日本の地盤液状化履歴図、東京大学出版会
4)たとえば、谷謙二(2013):今昔マップ on the web、http://ktgis.net/kjmapw/
5)たとえば、日本地図センター(2013):「時層地図」シリーズ

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