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技術ニュース83 プレートテクトニクス

 2011年の東北地方太平洋沖地震による被害は言葉に尽くせないほど大きなものでした。その地震を発生させたプレートとはいったいどういうものなのでしょうか。図1は、NOAAによる地球上のプレートの年代を示したものです。

図1 プレートの分布と年代
[NOAA ( http://www.ngdc.noaa.gov/mgg/image/crustalimages.html )による。]
 地球上は、10数枚のプレートと呼ばれる硬い板で覆われています。図1に示した赤茶色の海嶺から生成されたプレートはマントルの対流にのり、互いに動いています。プレートには、太平洋プレート、フィリピン海プレートのようにそのすべてが、海洋地域である海洋プレートや、ユーラシアプレートのようにかなりの部分を大陸地域で占めるプレートがあります。プレートの相互作用には、3種類の境界があり、収束境界、発散境界、横ずれ(トランスフォーム)境界と呼ばれています。日本列島周辺のプレート境界を図2に示します。

図2 日本付近のプレート境界(全地連HPによる。)
 日本列島は、地球を覆う10数枚のプレートのうち大陸プレートであるユーラシアプレート、北米プレート、海洋プレートである太平洋プレート、フィリピン海プレートからなり、4枚のプレートの衝突部にあたっており、プレートの相互作用としては、収束境界に該当しています。
 日本列島周辺で発生する大きなマグニチュードの地震は、太平洋プレートによる2011年東北地方太平洋沖地震、フィリピン海プレートによる1854年安政東海地震に代表されるプレート境界の地震があります。これらの地震よりはマグニチュードが1ランク小さいですが、主に日本海側にあたるトランスフォーム型境界である北米プレートとユーラシアプレートの間には、1983年日本海中部地震、1993年北海道南西沖地震が発生しています。
表1 沈み込み帯の各種パラメータ(Ruff,L,J,and Kanamori,H.,1980 による。)

 表1は沈み込み帯における各種パラメータを示したものです。沈み込み帯ごとに沈み込んでいる深さ(スラブの深さ)、プレートの年齢、沈み込みの深さが異なることが分かります。この表に基づきプレートの年齢とプレート同士が近づく割合(沈み込みの速度)を比較したのが図3です。

図3 プレートの年齢とプレート同士が近づく割合
   (Ruff,L,J,and Kanamori,H.,1980 による。)
 沈み込み帯においては、プレートの年齢が同じであると、プレート同士が近づく割合が大きいほど大きなマグニチュードの地震を発生させていることが分かります。さらに、プレート同士が近づく割合が同じ場合は、プレートの年齢が若いほど、大きなマグニチュードの地震を発生させていることがわかります。

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