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技術ニュース83 LPとDEM

(後輩)
先輩、最近よく聞く、LPとかDEMってなんですか?
(先輩)
LPは「Laser Profiler」の略で、レーザービームを使った計測技術だ。LIDAR (Light Detection and Ranging) ともいうね。
DEMは「Digital Elevation Model」の略で、標高値を格子状に並べて地表面形状を表現したモデルのことだよ。LPは高精度なDEMを作る方法のひとつだ。
(後輩)
レーザービームで、地形がわかるのですか! どういう仕組みなのですか?
(先輩)
光の速度は常に一定なのは知っているよね。計測対象にレーザービームを照射すると、反射して戻ってくる時間から、距離が分かるのだ。
航空機で飛びながら、地上へレーザー照射を非常に大量に(数十万発/秒程度)行うことで、航空機から地上までの距離データ群が得られる。航空機に 積んだGPSの位置情報とIMU(慣性計測装置)の機体姿勢情報から標高に換算、格子状にしたものがDEMだ。

図1 航空レーザー測量の概念図
(後輩)
なーるほど!でも、地上には樹木などがあるから、「地表面の」データはとれないのじゃあないですか?
(先輩)
いい質問だね。確かに樹木の枝葉で反射されるものもある。しかし、「非常に大量」のレーザービームを照射しているので、そのうち一部は枝葉の隙間をうまく通り抜け、地表に到達するのだ。このようなデータのみを抽出して使うので、DEMは地表面とみなせるというわけだ。
(後輩)
なるほど。だけど、使わないデータがあるのはなんだかもったいないですね。
(先輩)
もちろん、樹木を除外する前のデータも植生等を含んだデータとして利用できる(DSM:DigitalSurfaceModel)。また、近年では計測機械の機能向上や、飛行機よりも対象に接近できるヘリコプターの利用などで、データ取得密度が高まっている(1m-DEM以下)。ここから、今まで捉えられなかった樹林構造等のデータが得られるのではと、DEMに加工する前の点群データ(ポイントクラウド)の利用も試みられているのだ。

図2 地表面データ抽出の概念図
(後輩)
今なお発展している技術なのですね!
(先輩)
LPによるDEMを利用すると、直接触れられない対象でも広域にわたり形状を知ることができる。この特性を生かして、富士樹海に隠れた青木ヶ原溶岩の微地形分布を解明したり1)、大規模な深層崩壊の微地形把握2)がなされている。
また、立入りできない古墳の詳細形状を解明したり3)、最近ではカンボジアのアンコール遺跡で、熱帯林に埋もれていた古代都市の遺構を明らかにしたニュース4)も記憶に新しいよ。
(後輩)
地形地質分野に囚われない成果が出ているのですね!もっと新しい利用法はないかなあ。

1) 千葉ほか(2007): 航空レーザ計測にもとづく青木ヶ原溶岩の微地形解析, 富士火山, 349-363p.,
http://www.yies.pref.yamanashi.jp/fujikazan/web/P349-363.pdf.
2) 京都大学防災研究所(2012): 深層崩壊の実態、予測、対応.
3) 奈良県立橿原考古学研究所(2010):新時代を迎えた大型古墳測量,
http://www.kashikoken.jp/.
4) 筑波大学(2013):空中からのレーザースキャンにより カンボジア・アンコール遺跡群にて巨大な古代都市構造を発見,
http://www.tsukuba.ac.jp/news.

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