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技術ニュース82 活断層

 六甲・淡路断層帯の活動により発生した1995年(平成7年)の兵庫県南部地震では社会に甚大な被害をもたらし、世の中に「活断層」の凄まじさを知らしめた。また、最近では2011年東北地方太平洋沖地震の1か月後に井戸沢断層が動き、マグニチュード(M)7.0の地震が生じた。歴史的には、1891年濃尾地震(M8.0)、1896年陸羽地震(M7.2)、1923年北丹後地震(M7.3)、1930年北伊豆地震(M7.3)、1943年鳥取地震(M7.2)、1945年三河地震(M6.8)、1947年伊豆半島沖地震(M6.9)などの地震が活断層によって引き起こされている。では、活断層とはいったい何なのであろうか。定義からいえば「最近の地質時代にくりかえし活動し、将来も活動することが推定される断層」であるが、少し整理するとその平均像は、「長さ10~30km(最長80km)、直線的な低崖や尾根・谷の屈曲として表現され、千年~1万年に1度くらい、2~3m程度(最大8m)瞬時にずれ、M7前後の地震(最大M8.0)を起こす地象。」となる。
 一方、この活断層は、ずれの様式によって、図1に示すように縦ずれ断層と横ずれ断層に分けられ、さらに縦ずれ断層は正断層と逆断層に、横ずれ断層は右ずれ断層と左ずれ断層に細分される。

図1 活断層の分類 活断層研究会(1991)1)に加筆
 また、活断層は平均変位速度(1,000年あたりのずれの量)により、A~C級に区分されている。A級は1,000年あたりのずれがmオーダー、B級が0.1mオーダー、C級が0.01mオーダーである。
 日本では、A級の活断層は約100本、B級のそれは約900本が知られている。大都市近傍にも、立川断層(東京都西部)、上町断層(大阪府)などの活断層が分布している。さらに、線形構造物は宿命的に活断層を避けられず、富士川河口断層帯や国府津-松田断層などの規模の大きい活断層が、東名高速道路や東海道新幹線と交差している。一般に構造物は、免震構造等によりゆれにはある程度対応できるが、ずれには対応しにくいため、直上の構造物は無残にも破壊されることになる。図2は上述の井戸沢断層が民家を直撃した例である。

図2(1) 井戸沢断層に直撃された民家


図2(2) 同上民家の内部
 富士川河口断層帯の場合、丸山・齋藤(2007)2)によれば、およそ1万年前に噴出した富士山の溶岩が上下方向に58m程度ずれており、縦ずれ断層としては平均変位速度が日本最大級である。1回のずれも大きいと推定され、交差する線形構造物が被災した場合、長期間におよぶ不通や通行止めなどの影響が予想される。このため活断層の存在を考慮すれば、復旧を早めるための備えや、リニア新幹線の整備、産業拠点や国の機関の分散化といった社会構想も重要となる。「備えあれば憂いなし」である。

1) 活断層研究会(1991):[新編]日本の活断層-分布図と資料-.東京大学出版会,437p.
2) 丸山正・齋藤勝(2007):富士川河口断層帯の古地震調査.活断層・古地震研究報告,産業技術総合研究所地質調査総合センター,No.7,p.129-155.

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