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技術ニュース77 電気探査
(学生)
電気探査とはなんですか。
(教授)
地層は性質や置かれている状態によって電気の流れやすい部分と流れ難い部分がある。それを調べることにより、地層構成を推測する技術だね。地中に電気を流して地中の比抵抗分布を調べる方法が土木地質の分野では広く利用されている。この他にも自然電位法、強制分極法などもある。似たものに電磁探査があるか、原理と手法が少々異なる。
(学生)
電気の流れ易い部分、流れ難い部分とはどんなものですか。
(教授)
花崗岩や中・古生層は一般に比抵抗値が大きい。こんな中に断層破砕帯、熱水変質帯、風化帯があると、粘度鉱物の含有、岩石の砕片化により間隙の増加と地下水の浸透により比抵抗が小さくなる。また、帯水層など豊富に水分を含む地層も比抵抗が小さい。
(学生)
目に見えない深部を電気で探るのですね、面白いですね。どうやって計測するのですか。
(教授)
大きく3方法に分かれる。①垂直探査、②水平探査、③ 2次元探査、といったところだね。地面に電極を設置して計測するのだが、電極配置方法にも6種類位ある。最近は2次元探査の利用が多いようだ。
(学生)
どの位の範囲を調査できるのですか。
(教授)
探査深度は電極間隔と側線長に密接に関係する。測定器の性能と地層の比抵抗値にも左右されるが、垂直探査と水平探査の探査深度は、平野部であれば200~300m程度は可能である。この場合、最大電極間隔は400~600m程度になる。通常は100m以浅を対象とする。2次元探査の探査深度は凡そ300m程度だね。探査深度が深くなると分解能や解析精度が低下することに注意してほしい。
(学生)
どんな分野に利用されているのですか。
(教授)
地下水、地すべり、トンネル、空洞、ダム、地質構造の調査に利用される。最近では電極間隔を1~2m程度と短くし、高密度で2次元探査を行う事例も増えてきている。これを「高密度電気探査」と称す。2次元平面的に地盤の比抵抗分布を調べ、初期の概要調査やボーリング調査地点間の補間に利用されている。他の物理探査、例えば2次元表面弾性波探査の結果と複合して地盤状態を2次元的に把握しようという試みも行われている。
探査法の概念と電極配置
探査成果のイメージ
(島裕雅(1992):二極法電気配置データを用いた実用的な二次元比抵抗自動解析法―比抵抗映像法の解釈と適用例―、物理探査、45、204-223より引用)
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